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463 【偏愛 第二章・里穂(1)】 sage 2008/01/31(木) 23 44 12 ID avpWEtMR お兄ちゃんがおばあちゃんに連れて行かれた日、里穂はずっと泣き通しだった。 いつもなら里穂が泣けばすぐ慰めに来る筈のママは来なかった。 そのほうが里穂にはありがたかったけど。 お兄ちゃんを里穂から取り上げたママの顔は見たくない。 ママは嫌い。おばあちゃんも嫌い。 里穂を置いてきぼりにしたお兄ちゃんも嫌い。 里穂は優しいお兄ちゃんが好きなのに。 ……ママが悪いんだ…… いつからだろう。ママはお兄ちゃんに優しくなくなった。 だからお兄ちゃんも里穂に優しくなくなった。いつも怖い顔をするようになった。 パパが生きていた頃は家族四人が仲良しだった。 パパが亡くなっても最初の頃はママは子供たちみんなに優しかった。 パパの分までママが幸弘(お兄ちゃんの名前)と里穂を守るねと言ってくれた。 それなのに…… どうしてみんな優しくなくなったんだろう? 夕方、里穂が泣き疲れた頃、リビングで電話が鳴るのが聞こえた。 お兄ちゃんから電話が来る約束だったのを思い出した。 涙を拭い、急いでリビングへ行くと、ちょうどママが電話を切ったところだった。 「間違い電話よ。失礼しちゃうわね」 そう言ってママは笑う。 里穂は、じっとママの顔を見つめた。 嘘はダメといつも言っているママだけど、ママ自身も嘘をつくことがあると里穂は知っている。 朝、おトイレの前で顔を合わせたお兄ちゃんは、ほっぺたを腫らしていた。 前の日の夜はパパの書斎に電気を消して閉じ籠もっていたので気づかなかった。 「どうしたの!?」 びっくりして訊ねた里穂に、お兄ちゃんは最初「何でもない」としか答えなかった。 それで里穂がママにお兄ちゃんのことを話すと、ママは言った。 「お友達と喧嘩したんでしょう。放っておきなさい」 でも里穂は心配だった。お兄ちゃんが痛そうだったから。 それでもう一度、お兄ちゃんに言った。 「ほっぺたのこと、ちゃんとママに言った? お医者さんに連れて行ってもらおうよ」 「あの女が自分で殴ったのに、医者に連れて行くわけないだろッ!」 その答えは里穂にはショックだった。 お兄ちゃんがこんなことで嘘をつくとは思えない。 でも、ママがお兄ちゃんをぶったとも思いたくなかった。 何か理由があったんだ。ぶたれちゃうほどママを怒らせることをお兄ちゃんがしたのかも。 だけど、どんなに悪いことをしても、ほっぺたが腫れるほどお兄ちゃんをぶつなんて…… 里穂のせい? 里穂が勝手にお兄ちゃんを捜しに行って、遅くまでおうちに帰らなかったから? でも原因は何であれ――ママは自分でお兄ちゃんをぶったのに嘘をついたのだ。 464 【偏愛 第二章・里穂(2)】 sage 2008/01/31(木) 23 45 23 ID avpWEtMR いまもまた嘘をついたのかも。本当はお兄ちゃんからの電話だったのに。 ……ママは嫌い…… 里穂は涙がこみ上げてきたが、それに気づかなかったようにママは微笑んだ。 「ちょうどよかったわ里穂、お話があるの。こっちにいらっしゃい」 ママは里穂をソファに座らせて自分も隣に腰掛けた。 里穂の手をとり、言った。 「ママはね、病気なの」 「病気?」 里穂はびっくりした。ママが嫌いだなんて気持ちは吹き飛んだ。 ママは里穂の眼を見つめて、 「胸が痛くなる病気よ。里穂のことが心配で」 「里穂が心配で……?」 「里穂はパパに甘えられない代わりに、お兄ちゃんにべったり甘えてるでしょう?」 「……違うよ……」 お兄ちゃんとパパが違うことくらい里穂はわかっている。 パパが生きていた頃から里穂はお兄ちゃんが大好きだった。お兄ちゃんはパパの代わりではない。 でもママは首を振り、 「違わないわ。里穂は甘える相手が欲しいの。まだ二年生だし仕方ない部分もあるけど」 里穂の両肩に手を置いて、 「いつまでも甘えん坊さんじゃパパも安心して天国に行けないでしょう?」 「パパ、まだ天国に行ってないの?」 「そうよ。甘えん坊の里穂が心配だから」 「里穂、甘えん坊じゃないよ……」 「だったらもうお兄ちゃんのことで泣かないで。パパだけじゃなくてママも里穂が心配なのよ」 里穂は何も言えなくなった。 パパが天国に行けないと言われて何の反論ができるだろうか。 「言うことを聞かないお兄ちゃんが、おばあちゃんのおうちに行って、ママの胸が痛いのも少し楽になるわ」 ママは里穂の頭を撫でた。 「だからママ、働きに出るの。里穂と一緒に美味しいものを食べたり、里穂が欲しいものを買ってあげるため」 「里穂、欲しいものなんてないよ……」 お兄ちゃんと一緒にさえいられるなら物なんて欲しくない。 でも先回りするようにママは微笑んで、 「里穂はいい子ね。お兄ちゃんのこと以外では我がまま言わないものね」 お兄ちゃんのことだって里穂は我がままのつもりはない。 大好きなお兄ちゃんと一緒にいたいと思うのが、どうしていけないの……? なのにママはお兄ちゃんを里穂から取り上げようとする。 せっかくお兄ちゃんから毎日電話をもらえる約束なのに、ママは里穂を電話に出させてくれないだろう。 電話に出ない里穂をお兄ちゃんは嫌いになっちゃうかも…… それでも里穂は何も言えなかった。 まだ幼い里穂にとってママに逆らうなど考えの及ばないことなのだ。 466 【偏愛 第二章・里穂(3)】 sage 2008/01/31(木) 23 49 41 ID avpWEtMR ママが働き始めたので、里穂は学童保育へ通うことになった。 学校が終わったら児童館へ行き、夜七時過ぎにママが迎えに来るまで過ごす。 学童保育には一年生から五年生まで十五、六人の子供がいた。 男女は半々だが互いに仲が悪く、さらに女子の間では四年生の一人が仲間外れにされていた。 五年生のリーダー格の子に気に入られなかったという理由で。 幸いにも里穂はリーダーの子から可愛がられたが、仲間外れに同調させられるのは嫌だった。 ママが働きに出てもお兄ちゃんがおうちにいれば学童保育に通わなくて済むのに…… 口には出さなかったが、里穂のお兄ちゃんに逢いたい気持ちは募るばかりだった。 声だけでも聞きたかったけどママが電話を取り次いでくれない。 自分からかけるには、おばあちゃんの家の番号がわからない。 お兄ちゃんが家からいなくなって、ママは里穂の前で笑顔を絶やさなくなった。 仕事は忙しいけど、やり甲斐があって楽しいと言っていた。 結婚前の会社勤めの経験を活かした「ケイリ」の仕事だそうだ。何をするのか里穂にはわからなかったけど。 ママのためには、お兄ちゃんが家を出てよかったのだろう。 でも里穂が喪ったもの――お兄ちゃんそのもの――は大きすぎた。 年の瀬が近づいて「お友達に出してあげなさい」とママから年賀状を二十枚渡された。 だが里穂が一番、年賀状を送りたい相手はお兄ちゃんだった。 それで思い出した。 今年、おばあちゃんから年賀状をもらっていたことを。 里穂は机の引き出しにしまっていたそれをランドセルのジッパー付きの内ポケットに移した。 以前、お兄ちゃんのランドセルの同じ場所に入れた携帯ゲーム機はママに見つかってしまった。 でもママは里穂のことは何も疑っていない筈だった。 翌日の学校帰りに友達の家に寄らせてもらい、おばあちゃんの家の住所宛てでお兄ちゃんに年賀状を書いた。 漫画が好きで絵が上手な友達で、彼女に教えてもらいながらイラストを描いた。 雪だるまの兄妹が仲良く寄り添っている絵で、可愛らしく描けたと友達は褒めてくれた。 お兄ちゃんが喜んでくれたら嬉しいと思ったけど返事は期待しなかった。 せっかくお兄ちゃんから郵便が届いてもママが隠してしまうだろうから。 おばあちゃんからの年賀状はそのままランドセルにしまっておいた。 それがお兄ちゃんと里穂を結ぶ絆のように思えたから。 春になり、里穂は三年生になった。 新しいクラスで戻川千代美(もどりかわ・ちよみ)という子とクラスメートになった。 千代美はすらりと背が高く、服装はいつもお洒落で、五年生か六年生みたいに大人びて見えた。 一緒にクラスの図書係になったので里穂は千代美と仲良くなった。 「里穂ちゃんって綺麗な髪してるね。千代美が美容師になったらお店のモデルになってね」 そう言って千代美は毎日、昼休みに里穂の髪をブラシで梳かしてくれた。 そして日替わりで色の違うリボンを結んでくれるのが習慣になった。 467 【偏愛 第二章・里穂(4)】 sage 2008/01/31(木) 23 53 01 ID avpWEtMR 一方、学童保育ではトラブルが起きていた。 いままでのリーダー格の子が学童保育をやめ、仲間外れだった子が最上級生として新しいリーダーになった。 彼女はこれまでの仕返しのようにイジメの煽動を始めた。 日替わりか週替わりで一人を標的に選び、ほかの子をそそのかして仲間外れにしたり悪口を言うのだ。 里穂は幸い標的にされなかったが、リーダーの気まぐれ次第でこの先どうなるかわからない。 やがてイジメの横行は先生たちの知るところとなった。 リーダーは学童保育をやめさせられた。 ほかの子の保護者には先生たちから謝罪があったが、里穂はママの意向で学童保育をやめることになった。 「もう三年生だもの、一人でお留守番できるわよね?」 里穂にはクラスの友達と放課後に遊べるようになったのが嬉しかった。 一番の遊び相手は千代美だった。 千代美の両親は駅前で美容室を経営していて帰宅が遅い。 里穂が千代美と一緒に留守番をしてくれれば安心であるらしい。 千代美には四つ違いの兄がいるが、黙ってふらりと出かけることが多く留守番役としては期待できない。 その兄は千代美とよく似て背が高く、綺麗な顔立ちの少年だった。 しかし眼鏡の奥から里穂に向ける眼差しは、ぞっとするほど冷たかった。 ママに怒られてばかりいた頃のお兄ちゃんよりも暗い、深い落とし穴みたいな眼。 彼が留守がちであることが里穂には救いだった。 家にいても自分の部屋に閉じ籠もっていることが多いが、ときどき用もなく妹の部屋を覗いてくるのが怖い。 「千代美ちゃんのお兄さんって、ちょっとおっかないよね……」 里穂が言うと、千代美は笑うばかりだったけど。 「そうかな? ただのオタクだよ。いまは喧嘩したら千代美が勝っちゃうくらい大人しいし」 ある日の留守番のとき、里穂は自分たち兄妹の事情を千代美に話した。 ずっとお兄ちゃんに会えずにいて寂しいと言うと同情してくれた。 「ママに内緒で会いに行っちゃえば?」 「えっ……、でも里穂ひとりじゃ……」 「大丈夫だよ、もう三年じゃん。千代美がついて行ってもいいけど、水入らずの再会を邪魔したくないし」 「おばあちゃんの家の行き方もわからないよ」 「住所も知らないの? それさえわかれば、お兄(にい)に行き方を調べさせるけど」 里穂はおばあちゃんの年賀状をランドセルから出して千代美に渡した。 千代美は里穂を連れて兄の部屋へ行き、パソコンに向かっていた彼に年賀状を見せた。 「この住所への行き方、教えてあげて」 千代美の兄はパソコンを巧みに操り、すぐに電車の乗り換えと駅を降りてからの道順を調べてくれた。 「里穂のママが仕事から帰るのが七時でしょ、それまでに行って戻って来られるように時刻表も調べて」 追加の要求にもすぐに応え、それぞれプリンターで印刷したものを年賀状と一緒に里穂に渡してくれた。 その眼差しは相変わらず冷たかったけど。 ママの仕事は平日だけなので、里穂がお兄ちゃんに会いに行けるチャンスは夏休みだ。 それまでにお小遣いを貯めて電車賃を準備する計画を立てた。
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―――――悪夢とは決して当人が望んでいないものだ。 エピローグ 戦いの後、辺りの木々が倒れ巨大なクレーターが出来たそこに4人の人物がいる。 一人は復讐を志す青年、黒峰潤也。 一人は人の救済を目的とする殺戮者、黒峰咲。 一人は潤也の従者であり、至宝の所有者、琴峰藍。 一人は世界最強と他言される老婆、時峰九条。 これがこの場に揃っている。 笑って潤也に声をかける咲を藍と交互に眺めて九条は首を傾げて言った。 「あら、お嬢ちゃん達双子だったのかい?」 そう空気を読まない疑問は黙殺され、潤也と藍は咲を睨む。 それをどこ吹く風と流して、咲は笑って 「おばあちゃんもそう思う?咲も流石に似てるかなーって思ってはいるのだけど、お兄ちゃんその子だぁれ?」 そう疑問を問いかける。 その顔が潤也の知る彼女と変わらず、潤也は手を握りしめた。 咲は初めて見る自らと同じ顔を持つ少女に複雑な思いを重ねながら見つめ続ける。 「ドッペルゲンガーって見たら死んじゃうんだっけ?うわわ、怖いなぁー。ねぇ、喋ってよ。あなただぁれ?」 そうして藍に歩みよろうとする咲を遮るようにして潤也は身を前に出して、 「黙れ、咲。何をしにきた。」 そう冷たく言い放つ潤也に咲は首を傾げて 「ひっどいなぁー妹が兄に会いに来る理由なんて会いたくなったから以上に必要なの?普通いらないと思うんだけどな・・・。でもなんか、お兄ちゃんがお人形趣味があったなんて・・・そんなに咲が好きならいつでも抱きしめていいのに・・・。ほら、そんな私に似た人形なんかじゃなくてさ・・・。」 「わ、わたしは人形なんかじゃない!」 そう反論する藍。 それを咲は不思議な面持ちで見つめて、 「えーでもおかしいなぁ・・・あなた命としては色々間違ってる気がするのよね。色んな所が人間と似てるけど、細部が違う。ほら、咲さ人間を調べているからそういうのすぐにわかっちゃうんだよね。だってあなた人間じゃないでしょう?」 咲は黙りこむ。 そう琴峰藍は琴峰機関によって作られた人造人間だ。 世界最強の再現、それを目的として作られた母体から生まれていない生命。 そういった生命である事は咲は知識的にか、直感的にかはわからないが一瞬にして看破したのである。 「まったくお兄ちゃんもこんな私似の人形さん連れてくぐらいならいつでも咲を呼べばいいのに・・・そうすれば咲はお兄ちゃんの元に行ったんだよ・・・。」 「どこにいるかもわからない奴を呼べる筈も無いだろう?」 その潤也の声は感情を極力押し殺したような声だった。 「まあ、それもそうか・・・。だから今回は咲から会いに来たんだしね。しかしお兄ちゃんどういうつもりなのかなぁ・・・咲の同胞達を破壊して回るなんて酷いじゃないか。」 そう言ってむくれたような顔をする咲。 それに対して潤也は言う。 「当然だ、俺はお前とUHの連中を全て殺すと決めた。」 それと同時に歩幅を見る。 黒峰咲の元までおよそ10歩といった所だろうか・・・。 今かけていけば咲を抑えこんで殺す事もできるかもしれない・・・そう思う。 何より、今は藍がいる。 藍と咲は同じ容姿で人間ではあるものの、その身体能力は人の域をはるかに超えている。 その協力を得られれば殺せるのではないだろうか? 「へ、なんでなんで?」 そういって咲は潤也に近づき、下から覗き込むようにして見る。 「だって、咲、お兄ちゃんに言ったよね。今たくさん人は殺しているけども咲の目的が遂げられれば、死んだ人間も含めて全て生き返るんだよ?」 「そんな保証がどこにある。そもそもだからといって人を殺していい理由なんてどこにも無い!それにお前はな、父さんと母さんを殺したんだろ?許せる訳がない!」 そう言って咲を掴もうとする潤也、咲はそれをするりと避ける。 その後、子供をあやすようにして言う。 「んー、お兄ちゃんもっと大局的に物事を見ようよ。今は確かに咲達は、至宝探しの為に人をたくさん殺して回ってるけどさ、結局それは生き返るんだよ。しかも皆が怯えている死を克服して・・・。だからさ、今はちょっと酷い事ではあるけど、それは次のもっと大きな幸せの為に耐えて欲しいんだ。お母さんとお父さんだって至宝を集めれば生き返るんだよ。」 「その時、お前はDSGCシステムを使うんだろう?」 「もちろん、そうしないと記憶情報を読み取れないからね。」 「ならば、お前の精神がそれに耐えられる保証がどこにある。咲、俺を見ろ、極力心身に起こる影響を少なくしているというのにコノザマだ。もう何度あのシステムに耐えられるかもわからない。お前はそれを世界中の全ての思念に対して行おうとしている。そんな事人間ができる範疇を超えている。前も言ったな咲、それは無理だ!」 「そういうなら、咲も前に言ったことを言うかなぁ・・・咲はできるんだよ。」 「根拠は?」 「黒峰咲が黒峰咲であるがゆえに・・・。」 「話にならないな。」 そういって潤也はリベジオンの藍を一瞥した後、 「だから、今、お前を殺す。」 それを見て、少し咲は見開いて、悲しそうに微笑んだ後、 「お兄ちゃん、それは無理だよ。」 藍が咲の元へと走る。 それを遮るように現れる一つの影が咲の前に立ち吼える。 それと同時に咲は空中にその身を空たかくへと飛翔させた。 「なっ・・・。」 あまりの非現実的な光景を前に驚きの声をあげる潤也。 人が自らの力で空を飛ぶ、それは人という翼を持たぬ種には絶対に出来得ぬ筈の事。 それが今、黒峰潤也の前で起こっている。 驚き立ち尽くす藍の後ろで咲が持つ無を有にする至宝『ダグザの大釜』の力である事を潤也はすぐに理解する。 「ご慧眼、これぞダグザの大釜、見えない足場を『創り』あげてそれを飛翔させた。」 咲と共に飛翔したアイリッシュウルフハウンドが関心したように言う。 潤也はそれを見上げた後、 「藍、リベジオンを使うぞ・・・。」 そういって咲に背を向けてリベジオンに向かう。 「だ、だめだよ潤也、もう二度もDSGCシステムを完全駆動させてるんだよ・・・こんな短期間で3度も完全駆動させたら今度こそ潤也の精神が持たないよ・・・。」 「関係ない。あいつを殺す事が俺の目的だ。あいつは俺の両親を殺した。それだけで俺があいつを殺す理由は十分だ。」 止めようとする藍を潤也は押しのける。 そんな潤也の前に立ちふさがるは一人の老婆、時峰九条だった。 「婆さん、あんたには関係無い話だと思うんだが・・・。」 「まあね、だが、あたしは自殺しようとしているような奴を止めないでいられる程、お人好しじゃないのさ。」 「自殺なんかじゃない。俺はあいつを殺さなければならない。」 「何故だい?」 「あいつが父と母を殺したからだ。」 「だから復讐かい?」 「そうだ。わかったらどいてくれ。」 「いーや、そこまで聞くとさらに行かせるわけにいかないね。」 「ならば、勝手に―――」 そういって九条も押しのけようとした時、言いようのない吐き気を感じて膝を付く。 立とうとするが、体が言うことを効かない。 「ほら、体は正直じゃないか・・・あんたはもうとても戦えるような状態じゃないんだよ・・・一体どれだけの時間寝たきりだったと思ってるんだい・・・。」 「黙れ、それでも俺はあいつを殺さなければ――――」 そういう潤也の頬を九条が叩く。 「目が覚めたかい、坊や。」 「何を―――」 そう反論しようとする潤也の頬をもう一度九条は叩く。 「なんで頭に血がのぼっているのかは大体話の流れからは察したけどね、ちょっとは冷静になりな。あんた今の状態で戦って勝てる気でいるのかい?いいかい、あんたの詳しい事情なんて知らないけどね、あんたの目的を果たす為にはあんたの行動は正しくない筈だ、それはわかるだろう?坊や。」 「ぐっ・・・。」 潤也は口を閉ざし土を握りしめた。 「それに来たみたいだしね。」 九条が顔を上に向けて空を眺める。 その視線を応用にして潤也も空を眺めた。 視界に移るのは白い物体。 遠くから白い何かがこちらに向けて接近する。 それを肉眼で明確に判別できるようになり潤也は手を握り締める。 それは機械仕掛けの天使だった。 その出で立ちは通常の鋼機のサイズを逸脱する程巨大で重厚な威圧感を放ちながらも、ありとあらゆる穢れを帯びていないかのような清潔さを併せ持つ。 これこそが黒峰咲の怨念機メタトロニウスである。 「お婆さん、年寄りは大事にってウチのママからね教えられてるんだけどね・・・あんまりお兄ちゃんに手を出すと怒るよ?」 「これはこれは怖いねぇ・・・。」 そういって苦笑する九条。 咲はその後、潤也に向けて言う。 「お兄ちゃん1つ言っておくけどね、例えお兄ちゃんが万全の状態で、お兄ちゃんの怨念機が完全な状態でも咲のメタトロニウスには適わないよ。」 「そんな事はやってみなければわからない!」 「わかるよ。お兄ちゃん至宝、手に入れてくれたんだよね。本当は最初咲の為に手に入れてくれたのかなと思って嬉しくなったんだけど・・・それを使って同胞たちを破壊して殺して回ってるって聞いてよくわからなくなったんだ。どうもこれまでのお兄ちゃんの行動を筋道立てて考察していくとお兄ちゃんはUHと敵対しているらしい・・・。なら仕方ないと思って、お兄ちゃんの至宝を図る意味を含めてお兄ちゃんの元へと咲お手製の鋼獣を襲わせたんだ。」 やはりかと潤也は思う。 アテルラナから提供されたデータに存在しない鋼獣。 それはつまり黒峰咲がダグザの大釜で作り上げた鋼獣なのではないか?と潤也は推測していた。 そしてこの予感が今的中する。 そしてそれはつまりダグザの大釜さえあればいくらでも先ほど戦ったような鋼獣を鋳造する事が可能であるという事を意味している。 「お兄ちゃんの至宝に刺された鋼獣はすぐに消滅してしまうでしょ?だからさ、大質量でも結果は同じなのか試して見たかったんだ。結果、見て理解した。お兄ちゃんの至宝は因果を操ってるんじゃないかって・・・その存在の内包する因果を歪めているんじゃないかって・・・。」 潤也は黙りこむ。 下手な事を言えば、それを事実だという確信を咲に与えてしまう事に他ならないからだ。 「それならね、お兄ちゃんの持ってる至宝は咲の敵じゃないんだよ。いい?お兄ちゃん、根本的に勝ち目が無いんだ。」 「そんな事は――――」 「やってみなくてもわかるよ。」 反論しようとする潤也を遮るようにして断言する咲。 「だからお兄ちゃん無駄な事はやめて咲と一緒に新世界を作ろう。お兄ちゃんが一緒に来てくれるのならば、咲嬉しいな。」 「断る!」 眩む目で咲のいる方向を見つめて叫ぶ潤也。 それに咲は少しため息を吐いて、 「わかった、わかったよ。お兄ちゃん。お兄ちゃんにはまだきっと考える時間が必要なんだね・・・じゃあさ、二週間時間をあげるよ。」 そういうのと共にメタトロニウスが右手でVの字を作る。 2を表しているつもりなのだろうか? 「二週間?」 「そう、二週間。それだけ考えてもお兄ちゃんが咲を殺したいと思っているのならば、相手をしてあげる。どうせ死んでも生き返らせる事ができるんだしね・・・本当はお兄ちゃんを殺すなんて事はしたくないけども大局的にしなければならないというのならば仕方ない。お兄ちゃんの持ってる至宝は咲はなんとしても手に入れないといけないしね。」 そういつもと変わらない口調で言う咲。 潤也は自分のことを殺すと平然と言い放つ咲に少なからずショックを受けた。 「場所はーどうしようか・・・うーんハナバラなんてどう?パパとママが死んだ場所。あそことかがいいと思うんだ。あそこに最後の答えを聞きに行くよ。」 「ハナバラ・・・だな?」 「うん、約束は守るよ。咲は約束を破った事ない事が誇りだからね・・・。」 「行く、必ず行く、そしてお前を殺してやる。」 そういう潤也に対して咲は笑って 「ふふ、楽しみにしてるよ、お兄ちゃん。それに咲にそっくりのお人形さん、あなたが至宝の所有者なのかな?」 「―――教えない。」 敵意の眼差しを持って咲を見つめる藍。 「あらら嫌われたのかなぁー。どうもコミュニケーションをうまくやる事って下手糞で・・・」 そうやっておどける咲、その後、まあいいやと小声で呟いて 「じゃあ、ばいばーいお兄ちゃん、二週間後にまた会おーう。」 そういって咲はメタトロニウスに乗り込み、メタトロニウスは飛翔する。 その時に起こった逆風に吹かれながら、潤也は咲の言葉を噛み締める。 二週間後。 そこで全ての決着を付ける。 ―――――この手で黒峰咲を殺す。 黒峰潤也の悪夢はまだ続く。 To be continued capter3
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~夜~ 俺「バルクホルン大尉とハルトマン中尉から1分逃げる方法か…そんな事できるわけねーな」 今日の反省終わり。結論は今はまだ無理 俺「そういや昼間のミーナ中佐は一体どんな用だったんだろうか?」 リーネは俺の事をちくっただろうか、それとも何もいわなかっただろうか? その後特に何も言われていないという事は… コンコン… 俺「どちら様ですか?」 こんな時間に誰だ?まさかミーナ中佐か…? リーネ「お兄ちゃん、まだ起きてる…?」 俺「…」 めんどくせ、こんな時間にまで来るなよ。寝たふりでいいな リーネ「…入るね」 俺「…誰が入っていいといった?」 リーネ「ごめんなさい…居るみたいだったから…」 俺「で、要件は?ないならとっとと帰れ」 リーネ「少し、お話をしようと思ってきたの」 俺「お前に話す事なんて何もねーよ。分かったならとっとと帰れ」 リーネ「私には話しておかないといけない事があるし、お兄ちゃんの事を知らないといけないの」 俺「…別に俺の事なんて知る必要なんてないだろ。てめーの親が急に勝手に俺を養子にしたいとほざいた。それだけだ」 そのことを俺は認めてなんていないし、ビショップ家の人間になる気は毛頭ない リーネ「どうしてそんなに、私達の家族になるのを嫌がってるの…?」 俺「…俺の母親の仇が居る所の家族に何てなれるかよ…ふざけるな!」 リーネ「お兄ちゃんのお母さんの仇…?どういう事…?」 俺「何も知らずに俺の事をお兄ちゃんお兄ちゃんって呼んでたのかめでたいな。俺の母親はお前らビショップ家に…てめーの父親に見殺しにされたんだよ!」 リーネ「嘘っ、お父さんがそんな事をするはずがないよ」 俺「よそに女を作って子供が出来たらハイさよなら。そんな奴を庇うのか?」 リーネ「…違うよ。きっとお父さんはそんな事をしてなくて」 俺「ならどうして俺は今までお前たちと暮らしてこなかった?どうして生活の援助をしてくれなかった?」 リーネ「…」 俺「お前が何不自由なくのうのうと生活している間、俺はどんな生活をしてきたか知ってるか?知る訳もないよな」 リーネ「ごめんなさい…」 俺「何がごめんなさいだよ。今になって俺への憐みか?あ?」 リーネ「違う…違うよ…」 俺「…ならなんだってんだよ」 リーネ「本当の事は分からないけど…もしお父さんが俺さんの言う通りの事をしてきたとしたら…」 俺「代わりにお前が謝るってか?」 リーネ「…うん」 俺「母親を殺されてそんなごめんなさいの一言で俺が納得すると思うか?」 リーネ「…ごめんなさい」 俺「…」 リーネ「…お兄ちゃん。どうしたらお父さんを許してくれますか?」 俺「…どうしたら、か。お前はどうやって許してもらうつもりだ?」 リーネ「私でできる事なら何でもします。だからお父さんを許してあげてください。そしてお兄ちゃんもちゃんとした家族に…」 俺「…」 何でもねぇ…くくっ…何でもか 俺「おい、今なんでもするって言ったよな?」 リーネ「うん、私にできる事なら何でも頑張ります」 俺「それじゃーその言葉通り、俺の言う事を聞いてもらおうか。そうしたらそのうちお前の父親を許してやるよ」 リーネ「お兄ちゃん本当!?」 俺「ああ、本当だとも。俺が心行くまで満足したらその時は約束通りにしよう」 どの位で満足するかはわかんねーけどな。満足せずに終わるってことも…くくっ 本当にこいつの頭の中がお花畑でよかったぜ リーネ「お兄ちゃん、何をすればいいですか?言ってください」 俺「別に何もしなくてもいい。お前は俺の言う通りにしていればいい…」 ~~~~~~~ここから1投下分抜けています。修正中です~~~~~~~~~~ 俺「おい、まずは俺の前に来い」 リーネ「う、うん。来たよお兄ちゃん。次は何をすればいいの?」 俺「黙って俺の言う通りにしてればいいんだよ。痛い目にあいたくなかったらな」 今日はこれから痛い目を見る事になるんだけどな リーネ「はい……」 俺「…」 むにゅ。もみもみ…むにゅむにゅ リーネ「おっ、お兄ちゃん!?何しているの!?///」 俺「何って?されててわかるだろ、お前の胸を揉んでるんだよ」 それにしても良く育ってんな。どうすりゃこの年でここまででかくなるのやら 俺「…」 もみもみ…むにゅむにゅむにゅ… リーネ「んっ…///」 俺「おい、上着を脱いでシャツのボタンをはずせ」 リーネ「はい…」 するする…ぷちぷちぷちぷち リーネ「言われた通りに上着を脱いでシャツのボタンをはずしたよ…?」 俺「…へぇ。触って分かったけどでかいな。いくつくらいあるんだよ」 リーネ「は、はちじゅう…です」 俺「80?俺に嘘をつく気か?こんなにでかくて80はないだろ。本当は幾つだよ……見立てだと87-8ってとこか?」 多分間違いないだろうな リーネ「はちじゅう…はちセンチです…」 俺「へぇ、思った通りでかかったな。こんな小さめのブラなんかしても隠せないからな?」 ぶちっ…ぷるん… リーネ「…///」 俺「おい、手で隠すな。見えないだろ」 リーネ「でも…」 俺「俺の言う事が聞けないのか?その手をどけろ」 リーネ「…はい。これでいいですか?」 俺「これはなかなかいい光景だ」 さて…もう少しこいつの胸で楽しませてもらおうか …れろ、ちゅぱ…ちゅぱ…むにゅ… リーネ「きゃっ、お兄ちゃん…?何してるの…///」 俺「何って、お前の胸を揉んだり吸ったりしてんだよ。お楽しみの所をいちいち邪魔するな」 リーネ「んっ…んんっ…///」 れろ…れろ…ちゅぱ…はむ… リーネ「ハァ…ハァ…///」 俺「さっきから息遣いがあらいけど感じてんのか?ああ?」 リーネ「ち、違います…くすぐったいだけです…」 俺「へぇ。くすぐったいだけね。さっきから乳首を勃たせておいて説得力ねーぞ。俺に胸を揉まれて吸われて感じてるんだろ?」 リーネ「感じてなんて…ないです///」 俺「まーいいや。俺は楽しいからもう暫く楽しませてもらうわ」 リーネ「ハァ…お兄ちゃんんっ…もう…んっ…やめよ?///」 俺「何でお前の指図なんて受けないといけないんだよ。何でもするって言ったのはおまえだろ?お前の父親を許してほしくないなら辞めてもいいけどな」 リーネ「それは…」 俺「んん?どうなんだ?別に俺はそれで何も困らないからいいけどな」 こいつは絶対に拒否してこない。俺にはわかる、絶対にそうだ リーネ「…お兄ちゃんごめんなさい。続けて…ください///」 俺「自分からおねだりとは…この淫乱が」 リーネ「違います…私はそんなんじゃ…」 俺「違う?そんなわけないだろ。胸を弄られただけでこんなになってるくせによくいうぜ」 するっ…にちゃ… リーネ「お兄ちゃん、何処に手を…!?」 俺「さっきからいちいちうるせーな…胸を弄られただけでズボンの中をこんなにべとべとにして…」 リーネ「…///」 俺「ん?何か言ってみたらどうだ?また違いますって言ってみろよ。感じてませんって言ってみろよ」 リーネ「…///」 ちっ、反抗的だな… 俺「これならどうだ…?」 にちゃ…ぬぷっ、くちゃ…にちゃ…くちゅ…くちゅ… リーネ「嫌…お兄ちゃん辞めて…指を動かすのを辞めて…?」 俺「んー?聞こえねーな。何を辞めろって?」 くちゅくちゅ… リーネ「だから…指を動かすのを辞めてください…お願い、お兄ちゃん。おかしくなっちゃうから…///」 俺「んー?俺の手を足で挟みこんでズボンから抜けないようにしてるのはどっちだよ。もっと動かしてほしいんだろ?ほら、これがいいんだろ?」 くちゅ…ぬぷぅ… リーネ「違うのお兄ちゃん…挟んでる訳じゃないの///」 俺「なら早く俺の手が抜けるようにしてくれよ」 リーネ「してるけどできないの…///」 俺「ほら、はやくしろよ。じゃないと指を入れる本数を増やすぞ?」 ぬぷ…くちゅ… リーネ「だめぇぇぇ…これ以上はダメだよぉ…」 俺「何がダメなんだ?すんなり入ったじゃないか…ほらほら、もう観念しちまいな」 くちゅくちゅくちゅ… リーネ「これ以上は本当にダメなの…私、もうおかしくなっちゃうよぉ…お願いお兄ちゃん、もうやめて…?」 俺「おかしくなっちゃえよ。ほら」 リーネ「嫌…いやぁ…もう……だめぇぇぇぇぇぇぇ///」 ストン…ぶるぶるっ… 俺「イったか?兄貴に指でイかされた感想はどうだ?」 リーネ「はぁ…はぁ…お兄ちゃん…///」 俺「イっててそれどころじゃないってか、仕方ないな。ベッドで休むといい、ほらよ」 ぽふっ… リーネ「ごめんなさい、おにいちゃん…」 俺「別にいいぜ?こっちもそれなりに楽しめたからな」 リーネ「お兄ちゃん、これでお父さんの事は許してくれるの…?」 俺「あ?何馬鹿な事いってんだ?この程度で許されるわけないだろ」 そうさ、今夜の楽しみはこれからだ… リーネ「…」 俺「少しは落ち着いたか?今夜の本番はこれからだから覚悟しておけよ?」 リーネ「えっ…?」 俺「お前だけ気持ち良くなって、しかも父親まで許して貰えるなんてありえねーだろ」 かちゃかちゃ…するっ… 俺「今度は俺のを気持ち良くしてもらうからな…?」 リーネ「…えっと……」 俺「ん?男のを見るのは初めてか?」 リーネ「う、うん…お兄ちゃん、どうすればいいの…?」 俺「どうもしなくていい、こうするからな!」 リーネ「きゃあぁぁぁっ、お兄ちゃん、何するの!?」 俺「何って?セックスだよ。愛は無いけどな」 抵抗するなら無理やりしてやればいい リーネ「…嘘だよね?私達、兄妹だからそんな事…」 俺「兄妹だから?別に俺とお前は兄妹なんかじゃねーだろ。それにお前の意見なんて聞いてねーんだよ。俺が気持ち良くなれればそれでいーんだよ」 リーネ「…嫌。そんなの嫌。お兄ちゃんこれ以上は辞めて?他の事ならなんでもするから…」 俺「うるせーな」 リーネ「お願い…お兄ちゃん。これ以上はお願い…」 一発殴って大人しくさせるか…?けどそうすると殴った後が残ってばれるか…? 俺「ま。諦めろ」 リーネ「嫌っ、離して!離してお兄ちゃん…助けて…お兄ちゃん」 俺「うるせぇ。諦めて抵抗すんな。女のお前が男の俺に力でかなうはずないだろ!」 リーネ「お兄ちゃん、お願い…こんな酷い事は辞めて…」 俺「ようやく諦めて大人しくなったか…手間かけさせやがって」 さてと…楽しませてもらおうか 俺「…くくっ」 リーネ「これ以上はダメ…お願い…嫌…ダメだよ…嫌ぁ…嫌ぁぁぁ…」 俺「…」 リーネ「ハァ…ハァ…お兄ちゃん、わかってくれたの…?辞めてくれるの…?」 俺「そうだな。やっぱりダメだよな…兄妹でこんなことは…しかも無理やりだなんて」 リーネ「よかった…お兄ちゃん…やっぱりお兄ちゃんは、普段みたいな優しい人なんだよね…?」 俺「ごめんなリーネ…今抜くよ…怖かったろう?」 リーネ「怖かったけど、もう大丈夫です」 ぬちゃ… リーネ「…!?」 俺「…(ニヤァ)」 ぬぷぬぷっ……! リーネ「え…?」 俺「…(ニヤァァ)」 リーネ「…………嘘」 俺「…(ニヤニヤ)」 リーネ「い、嫌ぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~」 リーネ「痛っ…、抜いて…お兄ちゃんどうして…辞めてくれるんじゃなかったの…お願いだからこれ以上はもう辞めて…」 俺「どんどん入っていくのが解るだろう?」 流石に初物はきついな… 俺「おめでとう、これで晴れて子供から大人の女性の仲間入りだ」 リーネ「嫌…嘘だよね…?…痛い…痛いよ…お兄ちゃん早く抜いて…」 俺「本当の事だぜ?ほら、見てみろよ根本までしっかりと入ってるだろ?」 リーネ「…………」 俺「うれしくて言葉もでないか。さっさと気持ちよくなろうか。あ、お前は今回は痛くてそれどころじゃないかもしれないけどな」 中々具合がいいな。顔も悪くない、抱き心地もいい。けどあの男の娘って事が全てを台無しにしているな… 俺「おら、動くからしっかり腰を振れよ」 ぬぷぬぷ リーネ「痛い…痛いよ…もうやめてよお兄ちゃん…どうしてこんな事をするの…」 俺「どうしてって?あの男へ復讐する為さ、愛する娘が傷モノになったとしたら、あの男はどう思うか今から楽しみだ」 リーネ「復讐…?」 俺「そうさ、復讐だ。勿論お前の父親を簡単に許す気なんてさらさらないぜ。自分の手で息の根を止めてやるまで許す事なんてできねーわ」 ぬぷぬぷ リーネ「嘘だよね…嘘だよね…?お兄ちゃん…私が何でもすれば許してくれるって…」 ぬぷぬぷ 俺「嘘?いつまでそんな事いってんだよ。お前は俺に騙されたんだよ」 ぬぷぬぷ リーネ「…嘘………」 俺「本当にめでたいやつだ。だけど、お前がこれからも俺の言う事をちゃんと聞くなら…お前の父親の代わりに俺からの復讐を受けるというなら、そのうち許してやるかもしれねーな」 俺の気が収まればだけど…いつになるかもわからないけど… リーネ「本当…?今度は嘘じゃないよね…?」 俺「これは本当のことさ。けど、そう簡単に許して貰えるとは思うなよ…?」 ぬぷぬぷ リーネ「お父さんがゆるしてもらえるなら…私が代わりにお兄ちゃんから…」 俺「へぇ、健気だねぇ。けどその意思もいつまで持つか…」 ぬぷぬぷ リーネ「お兄ちゃんがお父さんを許してくれて、お兄ちゃんが家族になってくれるなら頑張れます…その為ならお兄ちゃんに抱かれる位…」 俺「抱かれるだけ?何を言っているんだ?誰が抱くだけと言った?」 リーネ「え…?」 俺「あの男を殺さない代わりに、お前には俺の母さんと同じ目にあわせてやる…確かにやることはお前を抱くだけかもしれないが…」 リーネ「なら頑張れます…」 俺「本当にか…?俺が満足するのは相当先になるぜ…?」 そう、いつになるかわからないな リーネ「…それでもです」 俺「ま、あの男を殺さないとなると、俺の腹の虫がおさまるのは…お前が俺のガキを孕んだ時だ」 リーネ「えっ…?」 俺「ん?どうした。さっきまではあんなにお父さんの為ならって言ってたのに」 リーネ「……ダメ」 俺「ダメ…?なら父親の事は諦めるか?別に俺は構わないぜ?」 リーネ「…それもダメ……」 俺「ま、お前に選択権なんてねーんだけどな」 ぬぷぬぷぬぷぬぷぬぷぬぷ 俺「とりあえずまずは一発。今回で出来ちまえばそこで終わりだから出来るといいな」 リーネ「ダメ…中はダメ…お願い…」 俺「そうか、あ、でももう遅いわ」 びゅるっ。どくどく… リーネ「……嫌、出てる…お兄ちゃんに出されてる…お兄ちゃんの赤ちゃんできちゃう…」 俺「ふぅ」 リーネ「……」 俺「いいね、その表情。その目。いかにも絶望してますって感じが最高だ。最初の泣き顔もよかったぜ?」 リーネ「……」 俺「うれしくて言葉も出ないか。明日もこの時間に来いよ?」 リーネ「……」 俺「…聞いてるのか?ちっ、ショックで放心中か」 リーネ「……」 俺「…まだ時間もあるしもう1.2発楽しませてもらうか」 反応がなさそうだけどまーいいか リーネ「……」 俺「まだまだ夜はこれからだ」 ~早朝~ 俺「今日から坂本少佐と一緒に朝の訓練だったな…」 確か5時に玄関に集合と言っていたっけ? リーネ「Zzz…」 こいつはほかっておけばいいか。目を覚ましたら勝手に部屋に戻るだろう 坂本「逃げずに来たようだな」 俺「逃げる必要なんてあるんですか!?」 坂本「お前は私の訓練が厳しいのは身を持って分かっているだろう?ただでさえ厳しい訓練が朝にも追加されるから来ないとばかり思っていた」 俺「あの程度厳しいうちに入らないと思います」 坂本「ほほう…なら今日から俺だけ特別メニューを用意してやろうか?」 俺「それは遠慮しておきます」 坂本「遠慮しなくてもよいのだぞ?」 俺「流石に今より厳しい訓練が毎日続いたら身が持ちそうにありませんので…」 これからは夜にもお楽しみが待っているわけだしな 坂本「立ち話をする為に集まったわけではないしそろそろ早朝訓練を開始しようか。まずは軽くランニングだついて来い」 俺「了解」 坂本「ふむ、体力は相当あるようだな。あれだけ走って息ひとつ乱さないとは」 俺「小さい頃からずっと新聞配達で鍛えてましたから。体力には自信はあります」 坂本「そうかそうか、それは良いことだ。だが…俺はリーネの兄なのだろう?どうして新聞配達なんかしていたんだ?」 俺「リーネの兄と言っても義理の兄ですので…」 俺はあいつの兄なんかじゃねーよ。それにこの事については聞くなと言ったはずだ!二度とこんなくだらない事を聞けないようにしてやろうか… 俺「坂本少佐、この事についてはもう聞かないで欲しいと言ったはずですが?」 坂本「そうだったな、すまなかった。もうこの事については聞かないから許してくれ」 俺「はい。…少佐次は何をしますか?」 坂本「私はいつもはこの先の海岸で素振りをしてから戻っているが俺も来るか?」 俺「はい。俺も素振りじゃないですがやりたい事があるので海岸なら周りが広いだろうからご一緒します」 俺「コピー。ペースト。コピー。ペースト。ペースト。ペースト。ペースト」 もっと早く正確に…もっともっと… 坂本「成る程、俺は固有魔法の訓練か」 俺「はい。もっと早く展開できるようになって、しかも正確な場所へ展開できるようにしないと使い物になりませんからね」 坂本「確かに気づいてから他の場所へ展開するとなると自分を守るより時間がかかってしまうからか」 俺「後はシールドをより精密に動かせるようにしないといけませんね」 坂本「正確な場所へ展開するのは解るが精密に動かせるようにする必要はあるのか?攻撃するにしても近距離からの一撃であろう」 俺「確かにあれの場合は精密に動かせるようにする必要はないですけど…これをやる場合は出来る限り精密に動かせた方が何かとね。スラッシュシールド!」 シールドのブーメランだ…戻ってこないけど 坂本「ブーメランのような使い方か」 俺「戻っては来ませんけどね。ある程度狙いを付けられないと明後日の方向へ飛んで行ってしまいますから…」 ~俺の部屋~ リーネ「うーん…ここは?」 リーネ「私の部屋じゃない…お兄ちゃんの部屋?」 リーネ「痛っ…そうだ昨日お兄ちゃんが…私…」 リーネ「私…汚されちゃったんだ…どうしようこのままじゃ私、ウィッチを続けられないよ…」 ギィ…… リーネ「!!!」 俺「あ?なんでお前がまだここにいるんだよ。起きてるんならとっとと自分の部屋へ帰れ」 リーネ「ご、ごめんなさい。今起きたばっかりで…」 俺「ちっ、まあいいや。おい、今日も逃げずに来いよ?」 リーネ「はい…でも、もう昨日みたいな酷い事はしないでください……」 俺「あ?酷い事?酷い事なんてした覚えはないぞ?」 俺何か酷い事やったっけ?俺が気持ちいい事はヤッたけどさ リーネ「その…無理やり私を…」 俺「それは酷い事じゃなくて気持ちいいことだろ。それにお前言ったろ、何でもやりますって」 そう、俺の気が収まるまでなんでもやるって言っちまったからな リーネ「…」 俺「わかったならとっとと着替えて失せろよ。いいんだぜ?ミーナ中佐達にチクっても」 リーネ「…ミーナ中佐達には言いません……」 俺「チクっちまえば楽になれるのになあ」 こいつマゾか? 俺「ならいいや。俺が満足するまで毎晩楽しませてもらうぜ?」 リーネ「…」 俺「徹底的に調教してやるよ…何も考えららなくなるくらいにな…!」 リーネ「…」 俺「逃げ出したっていいんだぜ?今のうちだ」 リーネ「…逃げません。これでお兄ちゃんの気が収まるなら……」 俺「へぇ…」 くくっ…楽しい毎日になりそうだ ~キッチン~ 宮藤「リーネちゃん、昨日の夜どこにいたの?帰ってこないから心配したんだよ」 リーネ「ごめんね芳佳ちゃん…昨日の夜はお兄ちゃんとお話をしてたんだけど途中で寝ちゃったみたいで…起こすのも悪いからそのまま寝かせておいたってお兄ちゃんが…」 宮藤「そうだったんだー」 リーネ「心配かけさせて本当にごめんね…」 宮藤「またリーネちゃんが戻ってこなかったら俺さんの部屋に居るって思えばいいんだね」 リーネ「う、うん」 宮藤「どうしたのリーネちゃん。何だかいつもと様子が違う気がするよ」 リーネ「そうかな。いつもと同じだよ?」 宮藤「気のせいなのかなぁ…」 ~訓練~ 坂本「どうしたリーネ。動きが悪いぞ?」 リーネ「ハァ…ハァ…ごめんなさい坂本少佐…」 宮藤「リーネちゃんやっぱり体調が悪いんじゃないの?朝もどこか変だったし…」 坂本「リーネ、そうなのか?」 リーネ「…少しだけ調子が悪くて。でも大丈夫です」 宮藤「リーネちゃん無理はしないほうがいいよ!」 坂本「宮藤の言う通りだ。このまま本格的に体調を崩されては困るからな。リーネ、お前は今日の訓練は中止だ、ゆっくりやすめ」 リーネ「はい…」 坂本「宮藤、お前はこのまま訓練続行だからな…?」 宮藤「あはは…やっぱりそうですよね」 坂本「宮藤、このまま滑走路を往復20本だ。私は少し俺の様子を見てくる。さぼるなよ?」 宮藤「はい、坂本さん!」 ~上空~ 俺「これで…どうだ!」 バルクホルン「素直すぎる!こんな事ではネウロイに当たりすらしないぞ」 俺「はい!」 戦闘だと対装甲ライフルで狙撃するか0距離からぶっ放すか、シールドで切り刻むからブレンは使わねーんだけどなぁ…あーだりぃ…いつまで続くんだよこれ バルクホルン「どこを見ている!私はここだぞ!」 ペチャペチャ 俺「あっ」 バルクホルン「まだまだだな…」 坂本「バルクホルン、俺の調子はどのような感じだ?」 バルクホルン「まだまだだ。前よりはマシになってきているがまだまだだ」 エーリカ「だけど最初に比べたらぜんぜんよくなってるよー。前は文字通り秒殺されてたけど今は分単位でやりあえるようになってるよ~」 坂本「そうか。着実に実力を付けているようだな。この調子で頑張ってくれよ?」 俺「はい。出来る限り頑張ろうと思います」 バルクホルン「俺、第二ラウンドだ。5分持つようになるまで今日は終わらないと思え!」 俺「了解です」 エーリカ「後20秒位だからがんばれ~」 坂本「私も今回は観戦させてもらおうか」 俺「ハァ…ハァ…5分逃げ切った……」 坂本「ギリギリセーフだったな」 バルクホルン「ギリギリとはいえ良く持たせたな」 エーリカ「トゥルーデも何度か危なかったんじゃないの~?」 バルクホルン「確かに3度ほどひやっとさせられたな。さっきに比べて攻撃が大分いやらしい感じになってきた」 坂本「今日の訓練はここまででいいだろう」 バルクホルン「了解した。また明日覚悟しておくのだな」 エーリカ「明日は私ともやろうね」 ~ハンガー~ リーネ「お兄ちゃん達遅いな…」 整備A「おい、リネット曹長がいらっしゃってるぞ」 整備B「やっぱり可愛いなぁ。お近づきになれないかな」 整備C「俺達じゃ見向きもされないんだろうなぁ…」 整備D「無理やり押し倒しちまってそのまま手籠めにしちまうか?」 整備E「やめとけって。痛い目見るだけじゃすまねーぞ?」 ニイト「先輩達じゃ無理っすよwww」 整備A「ニイトォ…お前もだろ?俺達にとってはウィッチは高嶺の花だろ?」 ニイト「俺ならリーネちゃんを!」 整備ABCDE「はいはいおつおつ。夢からさめなさーい」 ニイト「そんな事ないっすよ!」 整備班長「お・ま・え・ら…さぼって何やってやがる!口を動かす暇があったら手を動かせ手を!」 整備ABCDE「すみませーーーーん!」 ニイト「どうにかできないかなぁ…」 整備班長「ニイト…お前もさっさと持ち場に戻らんか!」 ニイト「へーい…」 整備班長「へーいじゃないだろうへーいじゃ」 ニイト「はーい…」 整備班長「まったく…」 ニイト「やっぱり押しに弱そうだから何か弱みを握ってそれをネタに…いやいややっぱりさっき先輩が言ってたように無理矢理…」 整備班長「ニイト、さっきから何ぶつぶつ言ってるんだ?」 ニイト「ちょっと大事な考え事っすよ。うーん…」 整備班長「だから手を動かそうな…?頼むからさ…」 ブーーーーン… リーネ「お帰りなさい、お兄ちゃん。坂本少佐にバルクホルン大尉にハルトマン中尉」 俺「ただいまリーネ。待っててくれていたのかい?」 坂本「リーネ、休んでいなくてよかったのか?」 俺「坂本少佐、リーネがどうかしたんですか?」 くくっ、理由はよーーーーくわかってるけどな 坂本「体調がすぐれないみたいでな。訓練も途中で止めさせて休むよう言っておいたのだが…」 俺「ダメじゃないか。体調が悪いならゆっくり休んでいないと…」 リーネ「ごめんなさい…だけど…」 俺「…仕方ない子だな。けどありがとう、俺を待っていてくれたんだろう?」 リーネ「う、うん…」 整備A「くっそー。俺少尉羨ましいなぁ…」 整備B「俺もウィッチだったら…!」 整備C「俺少尉のストライカーをいじくって事故に見せかけ…」 整備D「あーそれいいな!ナイスアイデア」 整備E「でもばれたらやべーんじゃねーの?」 ニイト「ばれないようにうまーくやればいいんですよ、せ・ん・ぱ・い」 整備D「うまくといってもなぁ…ばれないような場所を弄って事故らせるなんて無理じゃないか?」 ニイト「夜中にこっそりやればいいんすよ」 整備A「夜中かー。それでも厳しいものがあるな。バカな事は言ってないで仕事に戻るか」 整備B「そうだな。無謀すぎるな…」 整備C「諦めよう。別に俺少尉とリネット曹長が仲良さげに話してるだけじゃないか…」 整備D「別にちゅっちゅしてるわけじゃないし…話をしてても悔しくないし…」 整備E「そうだね…」 ニイト「……」 ~夜 俺の部屋~ 俺「くくっ。さーてあいつはまたのこのこやってくるのかな?それとも…」 多分やってくるだろうけどな コンコン… リーネ「あの、お兄ちゃん起きてますか…?」 俺「起きてるよ」 来たか リーネ「……失礼します」 俺「おい、そんなところで突っ立ってないでこっちへこいよ」 リーネ「はい…」 俺「まさか来るとは思ってなかったぞ。そんなに俺に抱かれたかったのか?ん?」 リーネ「……」 俺「おい。はいとかちがうとか何かいえよ」 リーネ「…はい。今夜もお兄ちゃんに……その…抱かれに…きま…した……」 俺「はい、よーく言えました。くくっ…そうかそうか。そんなに俺にねぇ…くくく」 リーネ「…」 俺「何ぼーっとしてんだよ。とっとと服を脱いでベッドに横になって俺を受け入れる準備をしろよ。俺の手を煩わせるつもりか?」 リーネ「はい…」 パサッ…パサッ… 俺「くく…ここからだと最高の眺めなストリップショーだな」 リーネ「…///」 俺「とっととブラとズボンも脱げよ」 リーネ「…はい」 パサ…パサッ… リーネ「…全部、脱ぎ…ました……次は何をすれば…」 俺「言ったろ。とっととオナニーでもして俺を受け入れる準備をしろっての。それともあれか?濡れてない所に無理やり突っ込んでほしいのか?」 リーネ「…少しだけ待っててください」 俺「しかたねーな…あまりに待たせるようなら…わかってんな?」 リーネ「はい……あの…お兄ちゃん」 俺「なんだよ」 リーネ「恥ずかしいから向こうを向いてもらえませんか…?///」 俺「却下」 リーネ「…はい。…んっ…んんっ…///」 リーネ「ハァ…ハァ…ハァ…」 俺「中々いい余興だったぞ?さて…具合はどうかな?」 にちゃぁ… リーネ「んんっ…お兄ちゃん、もう多分大丈夫だから来てください…」 俺「そのようだな。くくっ…今夜も楽しませてもらうぜ…」 リーネ「…」 俺「よっと」 ぬぷ…ぬぷぬぷぬぷ… リーネ「痛っ…」 俺「その痛がる表情は最高だ。もっとその可愛い顔を苦痛にゆがめてくれよ」 ぬぷぬぷぬぷぬぷ… リーネ「やっ…痛っ…痛いよ…お兄ちゃん…」 いい。もっとだ。もっとその表情を見せてくれ リーネ「…ハァ…ハァ…あっ…あっ…痛っ…あっ…」 ぬぷぬぷパンパン 俺「ん?何所々喘いちゃってんの?もっと痛い痛いって泣き叫べよ。てめーの喘ぎ声なんて今は聞きたかねーんだよ」 リーネ「えっ…?違っ…喘いでなんてな…」 俺「何が違うだよ。あ?」 ぬぷぬぷ リーネ「やっ…あんっ…違うの…あっ、あっ、お兄ちゃん…違うの…」 俺「ちっ…2回目にしてもうこれかよ…興醒めもいいとこだな」 つまんね。これからはヤッてる最中の楽しみがなくなるか…んー尻でも叩いてみるか? リーネ「ごめんなさい…ごめんなさい…」 俺「まーいいや。明日からは何か準備するとして…今日は我慢してやるよ。少なくとも最後の最後に素敵な表情は拝めるからな」 リーネ「…?」 俺「くくっ、身をもってわかる事になるさ…まずは1発目いくぞ」 リーネ「えっ…?」 どくどくどく… 俺「ふぅ…」 リーネ「え…?」 俺「え…?じゃねーだろ。昨日もしてやっただろ?」 リーネ「嘘…また…出されてる…嫌…」 俺「その表情だよ。その表情。俺が見たいのはさ、最高だぜ」 リーネ「お兄ちゃん、早く抜いて…お願い…」 俺「あ?何俺に命令しちゃってるわけ?」 今頃焦っても無駄だっての。けどいいな…必死に焦る表情もなかなか… 俺「別に今更焦ったっておせーだろ」 リーネ「……」 俺「さーて、このまま抜かずの第二ラウンド突入すっか。まだまだ時間はあるし今日は昨日みたいに1回で終わると思うなよ?俺が満足するまで何度でも続くからな」 後3,4回はいっとくか リーネ「嫌…嫌…お兄ちゃんお願い…もう…やめて……」 俺「却下。諦めな」 隠し子TOPへ戻る
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ソニア お兄ちゃん! ジュリアン お兄ちゃん! あぁっ、お兄ちゃーん! ガーディアン・エアトス あああああぁぁぁ!! ガーディアン・デスサイス (唸り声)
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可愛い顔の策略士 硲舎佳茄(はざまやかな)という小学生の少女は一人退屈そうに公園のベンチに座っていた。大切にしていたバッグを犬に奪われ、セブンスミストの爆発に巻き込まれ、カミキリムシに髪の毛先を切られてしまうと少し可哀相な女の子だ。友達がいないわけではないがこの日は友人に遊ぼうと電話をかけても運悪く都合が合わず一人ぼっちになっていた。「う~ん、みんな忙しいのかな~?」佳茄は携帯の画面とひたすらにらめっこをする形に。スクロールし続け、ある一人のカーソルに止まった。「お姉ちゃん」と書かれてあり、何かあったら連絡してね。と言われたのを思い出し、勇気を振り絞って電話をかけた。「あ、もしもし?・・・あの、佳茄だけど・・・うん」2度、3度うんうんと頷き、その後パァっと顔を明るくさせて喜びを爆発させた。「うん!ありがとう!!じゃあ公園で待ってるね!!」通話を切り佳茄はニコニコしてこれから来るであろう人を待つ。でも今から準備して出て来ると言っていたので早くてあと20分くらいは掛かるだろう。喉が渇いたな~と感じて目の前の自販機に向かった。すると自販機の前には佳茄の見覚えのある少年が。「あっ!」「ん?」佳茄の声に反応してボタンから目を離した少年は恐らく間違えただろうイチゴおでんを押していた。少年はそれに気付かず熱々のイチゴおでんを手にとって「ぎゃぁ~!」と叫んでいるが佳茄は気にせず少年に満面の笑顔で声をかけた。「おにいちゃん!!久しぶり!!」「・・・え?」佳茄にお兄ちゃんと呼ばれた少年、上条当麻はダラダラと汗を流し始めた。 (待て待て待て待て上条当麻。今この子俺のこと「お兄ちゃん」と呼んだよな?もしかして親戚の妹?いやいや!乙姫という従妹がいるし!!もしかして親父が母さん以外の人の・・・ていうかこの子と知り合い!?ていうか記憶を失くす前の俺がこの子に「お兄ちゃんと呼びなさい」とでも言ったのか昔の俺!?ぬぁーー!!ここに来てまた記憶喪失が仇になるとはーーーーー!!!!)過去に知り合っていたのもあるがただ単に小学生の女の子が男子高校生のことをお兄ちゃんと呼ぶのは普通だが少年の頭の中は混乱したまま。「お兄ちゃんそのイチゴおでん飲まないの?」「え?あ、あぁ。間違えて押したから・・・」「じゃあ私にちょうだい?」「い、いいけど・・・」佳茄は少年からイチゴおでんを受け取って再びベンチに座り、ゴクゴクとイチゴおでんを飲み始めた。少年は飲んでいる様子をうわぁというような表情をして佳茄を見る。それに気付いた佳茄は「お兄ちゃんも一緒に座ろう?」と隣を勧めた。「は、はぁ・・・」むやみに去ろうとすれば少年にとって知らない小学生の女の子がどんなリアクションをするか予想がつかないのでとりあえず従う。だが佳茄も少年も特に話すことがなく、ただ時間だけが過ぎていくが佳茄が少年に話しかけた。「お兄ちゃん暇なの?」「ん?補修帰りだし今日は暇だぞ?」「あっ!そういえばお兄ちゃん!もうすぐ常盤台のお姉ちゃんが来るの!!」「常盤台?君の姉ちゃん常盤台なの?」「ううん、今から一緒に遊んでくれるの!」「へえ、いいヤツなんだな」若干会話がかみ合ってないんじゃない?と少年は少し思いながら会話にエンジンがかかった佳茄に優しく相槌を返す。そんな時、佳茄の待ち人は来てしまうもので「お~い佳茄ちゃ~ん!お待たせ~」遠くから駆け足でやってくる常盤台の制服を来た少年も見覚えのある少女が。「御坂!?」「あ、アンタが何でここに!?」 そして、佳茄のリクエストによりセブンスミストに移動する3人。上条、佳茄、美琴と隣に並んで歩く。しかも手を繋いで・・・「なあ御坂」「な、何?」佳茄に聞こえないように声をかける上条。顔の距離が近いのでドキドキしてしまう美琴。「お前さ、俺とこの子が知り合いな理由って知ってるか?」「そっか、アンタ記憶が・・・時間がないから簡単に言うわよ。アンタがその子を連れてセブンスミストにいたの。たしか店を案内するためとか言ってたっけ・・・」「俺ってもしかしてとんでもない変態だった?」「ええ、今と変わらないくらい」美琴の返答に「ひでえ・・・」と小さく呟く上条だが美琴は気にせず佳茄に話しかけた。「ねえ、佳茄ちゃんはセブンスミストで何買うの?」「えっとね、お小遣いもらったからお洋服と水着を買うの」「そっか。なら友達に負けないくらいおしゃれな物買っちゃおうか。私も買いたい物あるし」「うん!」女子同士で盛り上がる所に一人取り残される上条。(おいおい、女子の買い物って長いと聞きますけど?しかも2人もいるとなったら倍くらい掛かるんじゃねえの?迂闊に暇だと言わなきゃよかった・・・)これも不幸の一つか・・・と思いながら2人と並んで歩く上条。上条が一人不幸だ~と落ち込んでいる中、美琴と佳茄は「お姉ちゃんは好きな人いるの?」「ふぇ!?な、何よいきなり!」「お姉ちゃん美人だから告白されたりするだろうし好きな人いないの?」私たちと一緒に歩いてる人よ!なんてとても言えず、チラチラと不幸だ~と嘆いている上条を見てしまう。それに気付いた佳茄は少し考えて「もしかしてお兄ちゃん?」と確信を突いてきた。「な、なんでコイツなんかと!!」「でもお兄ちゃんのことさっきからずっと見ていたでしょ?」「だ、誰がコイツのこと意識して見るっての!?ただ近い距離にいるから自然と視界に入るだけで・・・」「お姉ちゃん、顔赤いよ?」「うっ・・・・・」考えてみれば顔が熱い。上条のことになると隠し事ができない自分だと気付いているのでシラを切るのは無理だと思った。「そ、そうよ。でも絶対に言わないでよ!」「わかってるよお姉ちゃん。よかったら佳茄が協力してあげる」協力すると言っても小学生の考えることだからどうせ「ねえ、お兄ちゃんはお姉ちゃんのこと好き?」と直接聞くのがオチだろうと美琴は考え、逆にありがた迷惑で終わるだろうと予測する。「大丈夫、佳茄がお姉ちゃんの恋のキューピットになってあげるから」天使のような笑顔で美琴にだけ聞こえるように囁く。本当にキューピットになればいいのだが・・・ セブンスミストに到着し佳茄は早速洋服売り場へ向った。佳茄は美琴に協力すると言ったが特に行動をするわけでもなく早速服を選ぶことに夢中になっていた。佳茄はう~んと唸りながらお気に入りの服を探す。少し置いてけぼりの上条と美琴は佳茄の後ろに並んで立つ。「御坂、お前も一緒に探してあげたら?こういう服とか好きなんだろ?俺聞かれてもよくわかんねえし」上条はデリカシーの欠片もなく近くにあった少女向けの可愛い服(美琴のドストライク)をむんずと手にとって渡した。「アンタねぇ、こういう服はもう少し大事に扱いなさいよ。あ!ほらアンタが乱暴に取ったからもうここシワになってるじゃない!!これ売り物なのよ!?わかってるの!?」「ご、ごめんなさい・・・」美琴からの説教によりシュンとなる上条。佳茄はその様子を見てアハハと笑っていたがふとあることを考え付いた。「ねえお兄ちゃん、この服、佳茄に似合う?」「ん?そうだなぁ~」「正直に答えないとダメだからね!?」いつの間にか選んだ服を肩に合わせて上条のほうを向いた。「可愛いと思うけど・・・」「アンタ、「けど」って単語必要ないでしょ?充分似合ってて可愛いじゃない!」「いや、確かに似合って可愛いと思うのですが、何と言いますかこう・・・」「何よ・・・」上条はう~んの唸りだし言葉を捜そうと考え込む。「そうだ!まだ小学生だからちょっと背伸びしすぎているように見えるんだその服だと。もう少し年齢に合った服装がいいというか」「へえ、珍しくアンタにしては真面目な意見を言うじゃない・・・でも、言われてみると確かにちょっとまだ佳茄ちゃんには早く見えるかも」「えぇ~、そんなことないよぅ~」上条と美琴の意見に不服な顔をするがこれは佳茄の計画通り。佳茄が選んだ服はギャルが着て初めて似合いそうな派手目な柄のタンクトップ。見た目純粋度100%な佳茄が着るとただの派手なファッションになってしまうだけだ。「そうか~私にはまだ似合わないか~・・・あっ!!」ここで佳茄が何か閃いた(演技だが)。「お姉ちゃんこれ着てみない?」「ふぇ???」 「佳茄にはまだ似合わないだろうけどお姉ちゃんは似合うんじゃないかな?」「な、ななな、無理よ私は!私には少し派手だって!しかもサイズ違うし!」「そんなことないよ~。お姉ちゃん美人なんだから。ね?お兄ちゃん?」「んあ?」ここでコイツにフリますか!?と美琴は佳茄の協力というものにノーマークだった。上条はというと・・・「ふむ、確かに御坂の言う通り少し派手かもしれないけど俺は似合うと思うぞ?」「んな・・・///」アホな返事をしたかと思えば素で真面目に応えていた。「まあ、それだけだと少し露出が多いからその上から何か羽織っても問題ないだろうし。待てよ?むしろ最近の女子は露出が多いファッションを好む傾向があるのか?」「ちょ、ちょっとアンタ!ストップ!!」慌てて美琴が上条を止める。「アンタ正気!?っていうか珍しく真面目になってどうしたの?」「失礼な。これでもない頭使って考えたんだぞ?それに御坂、お前はいつも制服だから違う服装だと印象が変わるかもしれないし」「何よそれ!!私に見飽きたっていうの!?」「いや、そうじゃなくてだな・・・」佳茄はこのままでは拉致が明かないと思い二人を制止させるための一言を放つ。「お姉ちゃん、試着は自由だから一回着てみようよ。ほらほら!!」「え?ちょ、ちょっと待ってよ!!」佳茄は自分が持っていた服を美琴に渡しグイグイと背中を押して試着室へ押し込んだ。「じゃあお姉ちゃん、着替え終わるまでここを出ちゃダメだよ!?」「えぇ!?こ、ここここれ!!・・・」カーテンを強引に閉めて笑顔で佳茄は上条に聞いた。「お兄ちゃん、楽しみだね?」「ん?それより佳茄ちゃんの服決まったか?」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」どこまで行っても一筋縄では敵わないのが世界を救ったヒーローなのだ。だが佳茄にとってはまだ上条が美琴の気持ちに気付いていなくても構わない。問題はこれからなのだ。今までの様子を見る限り美琴は着替え終わって上条の前に立てば顔を赤くするに違いない。それを見た上条は「熱でもあるのか?」とボケを飛ばすかもしれない。ここで自分が何か爆弾になるような言葉を放てばまだいくらでも進展はある!!・・・・と佳茄はこれまでの2人の様子を見てこう推測する。 シャーっとカーテンが開いた音が聞こえてきた。「お、出てきたか」先に上条が気付き試着室の前まで行ったが美琴が上条の存在に気付いた途端もの凄い速さでカーテンに隠れた。「ば、バカ!!なんでアンタが見に来るのよ!!」「なんでって・・・一応俺も試着終わるの待ってたんだし」「む、無理!!こんなの見せられないって!!」「ねーねーお姉ちゃん、佳茄はいいでしょ~?」「え?う、うん。でもこっちに来て!!」美琴は佳茄を試着室の中に入れ、カーテンをまた閉め上条から見えないように佳茄に「ど、どう?」と聞いた。「お姉ちゃんすっごく可愛い!!」「そ、そう?でもこれって佳茄ちゃんのサイズの服よ?ピチピチというかこれおへそ丸見え・・・」美琴に渡した服は佳茄のサイズのため美琴には相当小さい。肩幅はかろうじて大丈夫だが丈が短くヘソが丸見え。常盤台のミニスカにこの服の組み合わせだとこれからビーチにでも行くのかと尋ねられそうな感じ。「ねえお兄ちゃんにも見せてあげようよ?」「い、嫌だ!こんな格好見せたくないってば!」「お兄ちゃ~ん!」お姉ちゃん可愛いでしょ~?」「コラ!やめて!ぎゃあ!」佳茄は美琴の抵抗を無視してカーテンを開けた。目の前には上条が立っており、退屈そうな顔をしていたが・・・「んなっ!!///」美琴の格好を見た瞬間顔を真っ赤にした。美琴は見られた恥ずかしさで体が硬直してしまい、体を隠そうにも隠せない。そんな隙だらけの美琴に佳茄は、「ほら、ここの端っこをこうやって結ぶともっと可愛く見えるよ?」キュッと丈の先っぽを結んで「ほらっ」と自慢するように上条へ披露した。先を結んだことで美琴の腰のラインがまた強調され(しかも生肌)、まだ中学生である美琴のこれからの成長が期待せざるを得ない程のスッとしたプロポーションに上条は驚きを隠せない。(御坂のヤツってこんなに・・・・///)「ちょっと!!さっきから何ジロジロ見てんのよ!!さっさと消えなさいよこのバカ!!」「うわぁ!!す、スマン!!」正気を取り戻した美琴から吼えられ、かなり慌てた上条。上条からすれば見惚れていましたなんて言えるわけがない。慌てて試着室から離れてどこかの角へ消えて行った。「ったく、あの変態め・・・」「違うよお姉ちゃん。お兄ちゃんは変態じゃなくてお姉ちゃんが可愛くて見惚れていたんだよ?」「へっ?ウソ?そんなことあるわけ・・・」「だってお兄ちゃんも顔が赤くなっていたもん」美琴はパニックで上条がどんな表情をしていたか覚えていなかったが純粋100%(と思っている)の佳茄が言ってくるとなると信用がどうしてもあがってしまう。「ふ、ふ・・・」「どう?お姉ちゃん嬉しい?」「ふ・・・」「お姉ちゃん?」「ふにゃぁ///」「わっ!!お姉ちゃん!?」茹蛸のように顔を赤くしてその場にへたり込んだ。佳茄がいるので漏電しなかったことを美琴は自分で盛大に誉めて意識は朦朧としていった。
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少年(城之内の対戦相手) 僕のターン、ドロー。逃さないよ、お兄ちゃん。マジックカード、『守備』封じだ。 『守備』封じの効果で、東方の英雄は攻撃表示に変わるよ。 メタル・ドラゴンで、東方の英雄を攻撃! リバースカードを1枚伏せて、ターンエンド。教えてあげるよお兄ちゃん、そういうのを風前の灯火って言うんだ。 もう諦めなよ、お兄ちゃん。どうやったってこれから逆転なんかありっこないんだからさ。 うん。 何やってんの? 突風の扇っていうのは、自分のモンスターの攻撃力を上げる為の装備魔法だよ? それを、僕のメタル・ドラゴンに装備して、攻撃力をわざわざ上げるなんて、それ自殺行為じゃない? 真面目にやってよぉ! えっ! そ、そんなコンボがあったなんて…… あのね、お兄ちゃんが右手に盾を左手に剣をを発動する直前に、僕のトラップが発動したんだよ。 城壁の効果で、発動ターンのみ、メタル・ドラゴンの守備力は500アップ。 そう。炎の剣士の攻撃力1600に対し、メタル・ドラゴンの攻撃力は2000。 やったあ! うん。ありがとう、お兄ちゃん。 あんな常識やぶりなコンボ、普通だったら思いつかないよ。すっごいね、お兄ちゃん! レベルが低いなんて言って、ごめん。 今度また、デュエルしてくれる? 審判 デュエル終了!
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496 :ヤンデル生活 第5話 彼女の名前は比真理。:2011/08/04(木) 12 53 33 ID B3N5iShM ヤンデル生活第5話 投下いたします。 「にぃに。あいたいよ、にぃに。すぐにぃにの所に行くはずだったのに。」 比真理は涙を流しながらそう呟いている。 兄を独占したい。 その欲望が引き起こした悪夢だ。 「もし、俺があの時つかさの家にいっていればこんなことにはならなかったのかな。」 「にぃに。にぃに・・。」 「実はさ。あの時俺、つかさの家に行く予定だったんだ。」 「・・・。」 「あの時、あいつ用事が出来たって言ってさっさと帰っていたんだ。」 「あいつ。本当は比真理のこと好きだったんだよ。」 「どういう意味?」 「あいつは、つかさは比真理の誕生日ケーキを買いに行ったんだ。」 「にぃ・・にが?」 そうあの時、つかさは比真理の誕生日ケーキを買いに行っていた。 兄弟同士結ばれることはなくても、俺があいつにしてやれる精一杯のことは比真理の誕生日を一緒に祝うことだけだ・・・なんてギザなこと言いやがって。 「あいつは本当に比真理のことを思ってたんだ。独占する必要はなかったんだよ。」 そうだ。 こんな悲劇、起きなくてもよかったんだ。 「でもにぃに。いつも女の人と会ってた。友達って言ってた。あの時も…私の誕生日の日も友達の所に行くって・・・だから・・・だから。」 「にぃには・・・私よりも・・・その友達が大切なんだって・・・私のこと忘れちゃうって。」 「にぃにが私から永遠に離れてくような気がして・・・怖かったの。」 「そうか。」 起きたことは変えられない。でも、もしあの時こうしたらとか、もっとできたんじゃないかなんて後悔する。 それは、無駄だとわかってもしてしまう。 今回のこともそうだ。 避けられるチャンスはいくらでもあったのに。 そう、いくらでも。 体を震わせて泣いている少女に俺はどんな慰めの言葉をかければいいのだろう。 俺はそっと震える手で比真理の頭を撫でた。 「ぅぅぅ・・うぁぁぁうぁぁぁぁぁぁぁああ!!にぃにぃぃごべんなざぁぁいいいごべんなさいぃぃぃぃ・・・。」 心の栓が取れたように比真理は泣いた。心のうちに貯めていた後悔と、兄に対する謝罪を吐き出すように彼女は泣き叫んだ。 それでいいんだ。 いっぱい泣いていっぱい後悔して、それで人は前に進んで行けるのだから。 俺は比真理が泣き止むまでひたすら頭を撫で続けた。 ・・・ 「お兄ちゃん?」 「どうして屋上からお兄ちゃん以外の人の声が聞こえるの?」 「そんなわけない。気のせいよね、だってお兄ちゃんに女性が近づかないように毎日監視してるんだもの。」 「そんなこと、あるわけない。」 「そうだ!今日もお兄ちゃんの寝室に入ろう。」 「お兄ちゃんが寒くならないように温めなくちゃ!」 ・・・ それからしばらくして、俺は比真理を保健室に連れて行った。 さすがに授業に出れる状態じゃなかった。 けど、これで一つの区切りがついた気がした。 安心・・・とはさすがにいかないけど。 でも、妹とちゃんと話せばきっとわかってくれる。 なぜかそういう気がした。 逃げるだけじゃなく、向き合うことも必要だって、 気づかされたんだ。 比真理に。 いや、つかさに・・・かな? ああ、でも怖かった。 今思い返しても体が震える。 もし、あの時間に合わなかったら・・・。 俺は親友に次いで親友の妹もみすみす助けられなかったということになるのだ。 それだけは嫌だった。 もう、人が亡くなるのは沢山だ。 葬式の雰囲気。耳から離れないお経、そして匂い。 みんながすすり泣き、喘ぎ泣く。 冷たい空気があたりに立ち込める。 現実が現実で無くなっていくような、不思議な感覚。 もう2度と味わいたくない。 今思い返しても、吐き気がするだけだ。 そんな思い、もう誰にもさせてたまるかよ。 だから、妹とちゃんと話さなくちゃならない。 わかってくれるとは思わない・・・けど。 俺は放課後まで待って妹と一緒に帰ることにした。 「めずらしいね。今日は一緒に帰ってくれるんだ。」 「ああ・・まあな。たまには一緒に帰ってもいいだろ。」 「ふーん。そっか。ふふふ。」 妹は嬉しそうに笑うと腕を組んできた。 「ちょ・・やめろって。誰かに見られるだろ。」 「たまにはいいでしょ?」 そうおねだりするような目で見てくる。 いつもなら断る予定だけど。 「今日は仕方ない・・か。」 「嘘・・・。本当にいいの?お兄ちゃん?」 497 :ヤンデル生活 第5話 彼女の名前は比真理。:2011/08/04(木) 12 54 50 ID B3N5iShM 「ああ、いいよ。けど、今日だけな。」 「うふふふ。」 そういうと笑顔で一際強く、腕を組んだ。 「ねぇ。今日お兄ちゃんなにかあったでしょ。」 妹は帰り道の途中で聞いてきた。 やっぱり勘が鋭いな。 「いや、その・・・。」 俺はなんて言ったらいいかわからず言葉に詰まった。 なんて説明したらいいのか・・。 「屋上で誰かと会っていたよね。多分・・比真理・・さんかな?」 「なんでわかったんだ?」 「なんかね。声が聞こえたの。気のせいかなって思ったの。お兄ちゃんに女性がよりつくわけないって。」 「ずいぶんな言われようだな。確かにモテないけどさ・・・。」 「ううん。そういう意味じゃないの。それでね、その声どっかで聞いたことあるような声だったの。」 「そうなのか。」 妹は、俺と比真理のやり取りを聞いていたのか? 「それでね。思い出したの。今日転校生が来てたでしょ、お兄ちゃんのクラス。」 「な・・・なんでそんなことわかるんだ?」 「普通だよ。お兄ちゃんの事で知らないことなんてないんだよ?」 さらりと怖い事、言うなよ・・・。 「それでね。その転校生の名前、苗字は違うけど比真理って名前だったし、なんかね。雰囲気もにてるなぁ~って。」 「あったことあるのか?」 「ううん。すれ違っただけ。けどね、懐かしい香りがしたの。」 「香り?」 「うん!香り。私嗅覚すごいんだいよぉぉ!」 なんてことだ。俺の妹は犬並みの嗅覚をもっていた! 「それよりも、お兄ちゃんなんかあったでしょ。屋上で、比真理さんと。」 嘘をついたらすぐばれそうだな。 とりあえずここは真実を喋ろう。 「ああ・・実はな。その・・・比真理が自殺しようとしたんだよ。屋上から飛び降りようとしてさ・・・。」 「そうだったんだ。それで、お兄ちゃんが助けたの?」 妹は心配そうな顔をして訪ねてきた。 「ああ。他に誰もいなかったし。」 「そうなんだ。それで、比真理さんは大丈夫だった?」 「一応、保健室には連れてったけど大丈夫だよ。」 「そっか。それならよかったよ。」 そういうと妹は安堵の顔を浮かべた。 「お兄ちゃんが無事で・・・本当に良かった。」 「え?」 「ううん。何でもない。今日はお兄ちゃんの好きなカレーつくったげるね!」 「本当か!嬉しいな。」 カレーは俺の大好物である。 だから、あらゆる意味で俺は妹に大事なものを握られているのかもしれない。 「うれしそうなお兄ちゃん見ると・・・きゅんきゅんしちゃうよ。」 そういって妹は俺の腕に顔をうずめた。 「はは。そうか。」 俺は苦笑いするしかなかった。 498 :ヤンデル生活 第5話 彼女の名前は比真理。:2011/08/04(木) 12 56 03 ID B3N5iShM その日の夜。俺は風呂から上がると速攻でベットに入った。 久しぶりに疲れた気がする。 すべては勘違いから生まれた出来事だったのか。 けど、つかさも妹のことが好きだったなんて、今思い返しても奇妙な縁だったんだなって思う。 「友達に会いに行くか・・・。」 その一言がすべてを変えてしまったのか。ん?友達?女の人・・・? そういえば、あいつと俺は女子とかかわれなかったはずだ。 昔からの友達か? いや、つかさからその話を聞いたことはない。 俺に隠れてこそこそあっていた? それもおかしい。 あいつは嘘はすぐに顔に出るタイプだった。 けど、そんなそぶりはなかった。 一体誰だ? つかさの友達って。 いや、深く考えすぎだな。 とりあえず、解決したんだ。あとは、比真理が自分で何とかしていくしかない。 俺は、目を閉じて思い返した。 今日起こったこと、そして今まで自分に絡み付いていたしがらみを。 すると、すぐまぶたが重くなってきた。 「お兄ちゃん?」 「よし!返事なし。今日もお疲れ様!お兄ちゃんのご褒美もらっちゃうね。」 「ゆっくり・・。ゆっくり・・・。ふぁ・・お兄ちゃんの顔ちかいよう・・・。」 「お兄ちゃん、いい匂い。じゃあ、ご褒美いただきます。ん・・・ちゅ・・ちゅる。」 「ん・・・はぁ・・・。んちゅ・・ちゅ・・・ちゅ。」 「んん・・はぁ・・はぁ・・・甘いのぉ、お兄ちゃんのくちびる・・・ん・・・ちゅ・・。」 「ちゅる・・・舌・・いれていい・・よね?はむ、ちゅ・・・れろ。」 「れろ・・・ちゅ・・・ちゅ。れろぉ・・・はぁ、はぁ。お兄ちゃんもっと・・ちゅう。」 なんだろう、変な感覚だ。 生暖かくって、なんだかかゆい。 小さくぴちゃぴちゃっと音がする。 これは夢かな。 ぼーとしていた頭が少しずつさえてくる。 ん?妹? 「ひゃ!にゃ・・にゃんでもないからなんでもないから!」 そういって妹は俺の部屋を飛び出していった。 口がなんだか熱い。 まさか・・・。 明日、妹とちゃんと話さなければ・・・。 すると、携帯が鳴りだした。 誰だ? 時間を見ると、0時32分。 こんな時間に誰だ? おそるおそる電話に出た。 「もしもし?」 「あの、赤木さんですか?えっと、比真理です。」 えっ・・比真理!? なんで電話してきたんだ? 「俺、電話番号教えたっけ?」 「ううん。いつもにぃにの携帯みてたから。」 ああ、なるほど。 「そうか、それでなんかあったのか?」 「そうじゃないんだけど、今日は・・ご迷惑おかけしてすみませんでした。」 「い・・いやそんなに改めて謝らなくても。それにあれは俺が勝手に助けただけだし。」 「それと、にぃにのこともっと詳しく教えてほしいしそれに・・・学校の事まだよく知らないから、できれば案内してほしいんだけど・・・。」 「へっ?まあいいけど。」 「あ・・あのありがと。」 照れるようにちょっと焦りぎみでそういった比真理の声はちょっと可愛かった。 「別にいいよ。これも何かの縁だしな。」 「もうそろそろ切るね。お父さんに見つかっちゃうから。」 「ああ、また明日な。」 「うん。また・・・明日。」 そう少し照れ気味に言って比真理は電話を切った。 そうだ、遅すぎるなんてことはない。 過去や罪は消えないけど、これからのことは、未来はきっと変えられる。 今はそう信じたい。 その時、俺の部屋のドアの前にはうっすらと影が映っていた。 けど俺はそれに気が付かなかった。 「お兄ちゃん・・・誰と電話してるの・・・。」
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241 名前:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk [sage] 投稿日:2007/04/27(金) 06 26 18 ID rolhx8K8 「お兄ちゃん、起きてよ」 ちょっとハスキーな声が、俺を覚醒させた。 「ん…吹雪?」 まだ焦点の定まらない目で見たのは、俺の妹。 「お兄ちゃんを『お兄ちゃん』って呼ぶのは私だけだよ」 …それもそうか。などとぼやけた頭で思う。 そういや、入院してる吹雪を見舞いに来たんだっけ…。 時計を見ると、すでに見舞いにきてから二時間近く経っていた。 くぁ…と小さく欠伸をして、眠気を払ってから妹の手を握る。優しく目を見る。 言葉はないが、一々言葉を交わさなければわからないほど浅い付き合いじゃない。 早く治ってくれ。その思いのたけを込めて、手を握る。 「お兄ちゃんの手、暖かいね」 「お前の手が冷たいんだよ」 精々、会話はこの程度。それでも、伝えたいことは伝わると信じている。 「本山さん、申し訳ありませんがそろそろ消灯の時間ですので、お引取り願えませんか?」 もうそんな時間か…と腕時計を見ると、八時半を過ぎていた。 本当は八時で面会を締め切るのだが、吹雪は精神的にいくらか怪しいところがあるので、特例となっていた。 「お兄ちゃん、もう帰るの?」 「…ごめんな、吹雪。本当はもっと一緒にいてやりたいんだけど、我が家のようにはいかないよ」 帰ると言うと、吹雪は必ず袖を掴む。離れたくないと。 もちろん辛い気持ちもあるが、そこは飲み込む。傷跡のある手をそっと振りほどき、騎士のように手へキス。 「じゃあな」 これが、いつもの別れ方。その後、吹雪は必ず頬を赤くして見送る。 …あの子だけは、傷つけたくない。そう思ってする、俺にできる精一杯の愛情表現 242 名前:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk [sage] 投稿日:2007/04/27(金) 06 27 10 ID rolhx8K8 俺たちの生い立ちは、あまり幸福ではなかった。 両親は俺が中学三年、妹が小学五年のときに離婚。 俺は昔から喧嘩ばかりしていた両親を見ていたので、別に不思議には思わなかった。 妹もそんな両親を見ていたが、甘えたい盛りの年頃。どんなにショックだったかはわからない。 俺たちは母親に引き取られた。そこまではどこにでも転がっている話だ。 だが、母親は離婚から一年も経たずに再婚。相手も子持ちの男だった。 ここから先は、ありふれた悲劇。母親は相手の子ばかり可愛がり、俺たちには冷たく当たった。 とはいえ、衣食住に困るほどではない。それでも何かにつけて貶められた。 俺は一つ屋根の下にいる人間を『家族』と思うことはついに出来なかった。 妹もそれは同じようで、結局なじまなかった。 それだけならまだいいが、精神的にかなり辛かったらしく、自分の身体を傷つけることも多々。 そして、そんな手間の掛かる妹をさらに無碍に扱う実母と義父。 俺はそんな家にいるのが嫌で、必死に勉強して資格を取り高校卒業(就職)と共に家を出た。 妹に「来るか?」と一言聞けば、妹は何も言わずに荷物をまとめた。 それからもう5年。俺はその間にたたき上げの出世頭になっている。 出世自体に興味はないが、いかんせん養う家族がいる以上、金はいる。 今でも必死に仕事をこなしているが、段々妹と接する時間が減っていくのが目下の気がかり。 寂しい思いをさせたくないと思うが、時間にはどんな武器でも敵わない。 そんな事を考えながら、俺は病院を後にした。 243 名前:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk [sage] 投稿日:2007/04/27(金) 06 28 11 ID rolhx8K8 …お兄ちゃんの寝顔を眺めている。 私の人生の中でも最も素敵な時間。 普段は無愛想な顔なのに、寝顔は素直であどけない。 目蓋に唇を落としてみる。可愛らしくうなった。 指を舐めてみる。清潔な石鹸の香りと、わずかな汗の味。 それがとっても美味しくて、指を無心に舐める。 視線がいやらしくなっていくのがわかる。頬が上気するのも。 「…私、変態みたい。」 そう呟いても、舌は止まらない。 お兄ちゃんはかなり疲れているみたいで、全く目覚める気配はない。 それどころか、ちょっとくすぐったそうにうなる。 そんな仕草が可愛すぎて、どんどんと行動を昇華させたくなるけど、こんな所じゃまずいよね? 気持ちを振り払って唇から指を離すと、微かな銀の糸。 それが何だか、私の気持ちを代弁してるみたいに見える。 お兄ちゃん…昔から、私にはお兄ちゃんだけだよ? お兄ちゃんが居れば、私は何も要らないよ? 人を狂わせるお金も。 離れて暮らすことになる広い家も。 親もいらない。私の愛を邪魔するだけだから。 布団もいらないよ。お兄ちゃんと抱き合って眠れば、どんなものより暖かいから。 広い世界もいらない。お兄ちゃんの腕の中、それだけが私の世界でいい。 ただ、お兄ちゃんがいればいい。 ずっと一緒にいられるのなら、地獄にだって喜んで堕ちるよ? 私は弱い人間。 お兄ちゃんに寄り添わなければ、真っ直ぐ前を見て立っていられないから。 どんどん、お兄ちゃんに寄りかかっていくから。 だから、もっと強く抱きしめて?倒れないように、折れちゃうぐらい、ぎゅってして? いっそ、私の命を呑み込んで。私をお兄ちゃんの一部にして。 恥ずかしがらないで? 今、この病室にいる限り、世界は二人だけのものだから。 私を、お兄ちゃんのものだけにして? 深い深い泥沼に、一緒に堕ちていこうよ。 底まで行ったら、真っ暗闇。そこにこそ、本当に二人きりの世界があるから。 誰にも邪魔されない、二人だけの世界があるから。 お兄ちゃん、誰かのものになっちゃいやだよ? お兄ちゃんは私だけのものだから。誰にも渡さないから。 お兄ちゃんを奪おうとするのなら、神でも殺してみせるよ? だから、私を愛してね? 深く、深く、深遠の闇より暗い愛で。 私が見えなくなるくらい、暗い愛で包んでね。 そうしたら、私の目にはお兄ちゃんしか映らないから。 他人からも、私は見えないから。 だから、私を愛して。お兄ちゃん。 244 名前:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk [sage] 投稿日:2007/04/27(金) 06 28 55 ID rolhx8K8 退院まで、後一週間。一週間経てば、またお兄ちゃんと一緒に暮らせる。 どんなことをしようかなぁ? 暗い部屋で、二人でじゃれあおうかなぁ? 昼も夜もなく、一緒に遊ぼうよ。お兄ちゃん。 だから、早くお仕事を片付けてきてね? 「お兄ちゃん、起きてよ」 ずっと寝てないで、起きて私を見てよ。 私にお兄ちゃんを刻み付けるために。 お兄ちゃんに私を刻み付けるために。 永久に、永遠に、たとえ死しても、消えないように。
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2008.05.29 01 07 水上 える 「お兄ちゃん、どうしてご飯を食べないの?」 「必要ないからだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうして部屋から出ようとしないの?」 「必要ないからだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうしてこの部屋はこんなに血の匂いがするの?」 兄が無表情で何かをメスで裁いているのが、水槽の水越しに見えた。 少し伸ばした髪が水流で視界を遮るのがときどきうっとおしい。 刃物と骨が擦り合う音はとても耳障りだ。 聞いているだけで体のどこかが痛むような気がする。 「お兄ちゃん――」 兄がとろーりと赤黒い何かをつまんで腕を持ち上げた。 かたつむりを殻から取り出そうとしたらあんな風な形になるのかもしれない。 切片の一つ一つを兄は大切そうに目盛りのついた容器に入れ 「パンドラの箱」と書かれたその容器に接続されたチューブを数度引っ張って確認した。 「お兄ちゃん、これはなんていう遊び?」 「快楽主義っていう遊びだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうして私は生きているの?」 「お前がいないと寂しいじゃないか、真由美」 首から下はコードだけになった私がそれとなく目をそらすのを気にした様子もせず、 兄は私の体を、唇につないだチューブから、一滴も残すことなく、啜り終えた。 モモと グロさが…05/29 20 34 野良(--) 思考するだけで行動ができずとも生きている価値はあるだろうか05/29 21 40 水上 える しゃべれるだけこの妹はましですね。 五感をすべて封じられたらけっこうやばいはず。 でも「われ思う、ゆえにわれあり」ならば、自分がいることに変わりはないでしょう。 んー、価値を問うことは別問題かな。。。05/30 01 02 ミカヅキX 「お兄ちゃん、どうして私は生きているの?」 「お前がいないと寂しいじゃないか、真由美」 このやりとりが、いいですね。05/31 23 20
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妹が寝ている。白いベッドの上で。無味乾燥なこの部屋の中で。 絶えず聞こえる電子音が耳に痛い。 僕は妹を見て胸が締め付けられる。 妹は引きこもりがちな僕をいつも情けなさそうに見ていた。 あの日もそうだ。僕がトイレにたち、廊下で妹に会った。 妹はあの冷たい目で僕に一言。 「弱虫」 そういって家を出た。 その日以来、妹と話していない。 なぜなら、妹はこうしてベッドの上で寝てばかりだからだ。 「僕、最近、引きこもりやめたんだ」そう一人ごちた。 生命維持装置の音が、ピーッ、ピーっと定期的に耳障りな音を立てる。 神経が苛立つ。妹がそこですやすや眠っているのも腑におちない。 妹はきれいな白い肌と、整った顔立ちで静かに目を閉じている。 あの冷ややかな目が見たい。冷たい声でもう一度「弱虫」といってほしい。 僕はそれが叶わないことを知っている。 だから。 だから…。 … … … 僕は腕時計を見た。時計の針が午前2時丁度をを示している。 そして、生命維持装置の電源を切った。 妹の葬式が終わって程なくしてだ。 僕はほのかな靄に包まれることがある。 他の人には見えないらしいので、僕は頭がおかしくなったということだろうか。 まぁ、もともと、自分は壊れているから、別段、気にもしないのだが。 夢の中には妹がいつも現れる。僕に冷ややかに「弱虫」とささやくのだ。 下腹部に熱い迸りを感じ、目覚めると決まって僕は下着を洗うことになる。 狂ってるな…ほんと、狂ってる。 それでも、妹の目と声が忘れられない。 バイトの帰りの事だ。疲れて部屋に戻った。 いつの間にか、ソファーで眠りこけていた。 そして、いつもの夢を見たんだ。 …妹が僕に囁く、「弱虫」と。そして軽蔑の眼差しを僕に向ける。 いつもなら、ここで僕はすべてを吐き出して目が覚めるんだ。 だから夢の中の僕もそれに身構え、また、期待した。 だが、違った。 その日はそれで終わらなかった。妹の白い指が僕の胸元に伸びる。 そして、もう一度、囁いた。 「私を殺して、決心はついたの?」 ……びっしょりと汗をかいて僕は目が覚めた。 電気がついていたはずの部屋は薄暗く靄に包まれていた。 「おにいちゃん」 妹の声が耳元でした。僕の呼吸は次第に荒くなっていく。 そっと手を握られていた。ドカチンで鍛えられた僕の腕は前に比べごつくなっている。 靄がすぅっと晴れた。妹は僕の横にいた。 「やっと会えたね」 あああああああああ、妹だ。 僕が死なせた妹がいる。 「弱虫の癖に、私を殺す度胸はあったんだ」 妹が僕を苛む。 さぞ、恨んでいるだろう。僕なんかに殺されたんだ。 妹が冷たい目で僕を覗き込む。 僕はとっさに部屋に転がっていた果物ナイフに手を伸ばす。 そのとき、目覚まし時計に目が留まった。 午前2時。妹を殺した時間。 僕はそのナイフをふりあげた。 妹が物悲しそうに目を閉じた。 肉を貫く鈍い音がした。 … … 「あ、あああああ、ああああああああああああ!!!!」 目を開いた妹が絶叫した。 僕の胸元が朱に染まっていく。 そして、視界が途切れた。 白い、靄の中に僕がいる。素っ裸なのに、腕時計をはめている。 腕時計。すごく大切なものだ。妹が僕の誕生日に買ってくれたもの。 妹が交通事故にあったあの日に、手紙と一緒に握り締めていた腕時計。 「ほんと、お兄ちゃんは弱虫で馬鹿なのね」妹が隣にいた。 「僕もそう思うよ。腕時計、ありがとうな」僕はずっと言いたかったことをようやく言えた。 「ふ、ふん。時計をすれば、少しは人間らしい生活が出来ると思ったのよ」 不意に妹がぼろぼろと涙をこぼしだした。 「お兄ちゃんの馬鹿!! 本当に馬鹿!!」そういって僕の顔を何度も何度もびんたする。 「私は、お兄ちゃんが好きなの、誰より、好きなの。お兄ちゃんに抱いてほしかったの」 …顔を真っ赤にして叫ぶ。 僕が引きこもりになった理由。それは妹の思いを知ったからだ。 禁断の愛。 そして、僕も同じ思いだった。 それが人としてあってはならないことだと知っていた。 だから、外に出ることが怖くなった。妹を押し倒しそうだったから。 まぁ、死んでしまってはもうどうしようもないな。 そして、僕は妹の目をまっすぐ見た。 「いっしょに、地獄におちるか?」 数瞬の沈黙… 「遅いよ、お兄ちゃんの弱虫」 「はは、そうだな。おそいなぁ」 周りが明るい光に包まれ始めた。これが俗にいうお別れなんだろうか。 「じゃぁね、お兄ちゃん。次はちゃんと私を見てね」 妹が顔を赤らめながら光のなかに消えた。 そして、僕の視界も…。 僕が寝ている。白いベッドの上で。無味乾燥な部屋の中で。 絶えず聞こえる電子音が耳に痛い。 「こ、ここは?」 「あなたは、家であやまって胸にナイフを突き刺してしまったみたいですよ」医師がそばにいた。 「僕は生きているの?」 「ええ。連絡が早く、救急隊員の処置もしやすかったようです」 連絡が早くとはどういうことだ。 「若い女性が電話で知らせてくれたんですが、お知り合いですか? 部屋にはあなたしかいなかったそうで」 その一言で僕の目からは涙がこぼれだした。 妹は僕を恨んではいなかった。僕を連れて行くつもりじゃなかった。 …僕は大声でないた。 退院までそれほど時間はかからなかった。 あの日の出来事から20年。 今では僕にも妻と子供がいる。 子供を見てると妹を思い出す。 ふと、子供と目が合った。 「お兄ちゃん、今度こそ、私を愛してね」 娘が僕に微笑んだ。 了-